今さら『屍人荘の殺人』に溺れる
先日よく拝見させて頂くYouTubeチャンネル『ミステリー文学の本棚』のあべしぃさんが過去にアップされてた動画を久々に拝見しました。
私は気に入った配信者さんの動画をひたすら何度も見る事が多いのですが、最近はこの方がそのループの中です。
で、彼が過去に『今年の話題作一気読み生活』なるものをされていて、その中で『兇人邸の殺人』を読まれていました。
これは言わずもがな、映画にもなり大ヒット作品として名高い『屍人荘の殺人』シリーズの続編ですね。
最近この『兇人邸の殺人』の前作である『魔眼の匣の殺人』が文庫化されて、本屋さんでも平積みされているのを拝見しておりました。
前作も未読でありましたが、表紙のイラストを描かれているのが『遠田志帆』というイラストレーターさんらしいのですが、この方確か『綾辻行人』さんの作品の表紙を飾っていた記憶があります。
(ちなみに綾辻行人作品も未読)
同じ作家じゃないのかぁ……なんてしょうもない感想を抱きながら動画を視聴していたのですが、どういう風の吹き回しか、どうにもこの作品を読んでみたくなってきたのです。
何度も同じ動画を見て感化されたのでしょうか、あべしぃさんの感想を理解してみたい、という思いもあったのかもしれません。
何度も同じ方の動画を視聴しているうちに、知人や友人が話しているのを聞いている感覚になってきて、
「へぇ、君がそこまで面白いという作品ならちょっと読んでみたいなぁ」
なんて素直になれない面倒なオタク心を刺激されてと言いますか、ともかく読んでみたいと思ってしまったのです。
早速近所のブックオフでサクッと購入、通勤のお供にしようと早速翌日から朝の車内で読み始めました。
これがなかなかに面白い。
会話や主人公の気持ちの表し方なんかは平成〜令和の新鮮な空気を感じるのですが、物語の組み立ては読み進めるだにしっかりミステリーなんですよ。
古臭くないからさらっと読めてしまう、でもしっかり王道ミステリー。
この日は忙しかった事もあり、帰宅時の車内では眠りこけて読み進める事が出来なかったのですが、翌日の通勤・帰宅時にまた少し読み進め、午前中に起きた事件が帰宅時にはとんでもなく取り返しの付かない事態まで進んでしまい、彼が恐らく死んだであろうシーンでは思わず本を閉じ天を仰ぎました。
何度も本文とカバーの袖部分に記載されてる登場人物一覧を交互に見返しながら、本当に死んだのか?実はまだ生きてるのでは?と少々混乱してしまいました。
帰宅してからも食事をしながら頭によぎるのは彼の死。
これはとんでもない事になってしまった、どうにか先を読み進めねば……
あれやこれやと家事を済ませ、どうせ明日は休日だと、徹夜覚悟で一気に読破しました。
彼の死が確実なものになったシーンでは、虚無感を感じつつ、「私のワトソンだ」という彼女のセリフに胸を打たれ、まるで海外のアクション映画を観ているのでは?と錯覚するほどの興奮感でした。
もちろん読後感は最高、どうして今まで読まずにいたのか!いやそんな事を考える余裕もないほど素晴らしい作品を読めた事に大興奮でした。
すぐにでも続編を読みたいと思うほどに興奮していたのですが、どうせなら馴染みの本屋(なんてカッコ付けたけど最寄り駅の駅ビルに入ってるブックファースト)がもうすぐポイント2倍DAYだったな、と思い直し。
しっかりポイントも頂きつつ、サクッと続編も読んでしまいたいと思います。